近年、国連が推進する「SDGs(持続可能な開発目標)」への関心が高まりを見せ、企業は、自社の活動がSDGsの目標にどのように貢献しているのか、ステークホルダーに説明することを求められています。自社のすべての活動が対象となりますが、本書が注目しているのは企業が保有する「技術」です。SDGsに必要なのは、現状を大きく変えるイノベーションです。イノベーションにおいて大きな役割を果たすのは「技術」であるからこそ、本書は技術に注目しているのです。世界中の技術知財情報を集め、SDGsの目標達成に貢献できる技術を分析し、特に注目すべき技術「SDGsテック」を選定しました。また、有望技術の知財を多く保有する企業、有望技術が創り出す「望ましい未来」、有望技術の中で特に注目したい知財を、それぞれ深掘りしています。
有望技術でイノベーションを創出し、SDGs達成に貢献する事業戦略を策定するために、ぜひ本書をお役立てください。
約3500万件の特許情報(年間350万件以上の出願×10年分)から、PwCコンサルティングが保有する知財分析ツール 「Intelligent Business Analytics」を用いて、SDGs達成に貢献する技術を「技術クラスター」として抽出。さらに、市場性とゴールとの親和性の観点から絞り込み、36個の「SDGsテック」を選定しました。
STEP1 母集団の作成
検索式を用いて、評価対象となる特許情報および財務情報の母集団を作成
STEP2 バリューチェーン分析
各ゴールの母集団を形成した後、類似性の高い特許群をバリューチェーン上にクラスタリング
→17のゴール全体で約4700件の技術クラスターを抽出
STEP3 主要技術クラスターの選定
「市場性(偏差値)」と「ゴールとの親和性(偏差値)」の2つの観点で「主要技術クラスター」を絞り込み
→約1000件の主要技術クラスターを選定
STEP4 SDGsテックの選定
主要技術クラスターを、SDGsゴールごとに「市場性」をy値、「ゴールとの親和性」をx値として2次元座標にプロットし、原点からの距離が遠い上位2つを特に注目の技術クラスターとして抽出
→36個の「SDGsテック」を選定
■SDGsに関わる技術開発評価を行うツールとプロセスの概要
出所:PwCコンサルティング
12の未来シナリオ
①人間拡張の未来 ②都市とモビリティーの未来 ③循環型経済の未来 ④ものづくりの未来 ⑤エネルギーの未来 ⑥フードエコシステムの未来 ⑦ヘルスケアの未来 ⑧死の未来 ⑨メディアとエンターテインメントの未来 ⑩信頼の未来 ⑪イノベーションエコシステムの未来 ⑫ウィズ・アフターコロナの未来
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(※1)関連レポート |
各SDGsテックの重要性を「関連する社会課題」「関連産業の現状と未来像」「関連する技術の活用状況」を踏まえて解説。技術進展によってどのような社会課題の解決、産官学によるエコシステム創出が可能なのか、といった視点で技術動向や研究開発動向を提示し、SDGsとの関連性も解説。さらに、各国の特許出願状況から日本の技術やサービスの特徴や強みを分析します。
①技術俯瞰と社会課題解決との関係性
出願された特許の頻出キーワードを挙げ、特徴や技術動向、社会課題の解決にどのような役割を果たすかを解説
②ステークホルダー
③直近の技術動向
④研究開発動向
⑤関連する特許の動向
■「水力・風力発電の原動機」の掲載例
各ゴール達成への寄与度が高く、比較的新興と位置づけられる企業(スタートアップを含む)を中心に、以下の項目に整理し掲載。
●保有する特許の区分 ●親和性のある技術テーマ ●技術動向 ●投資・買収動向など ●親和性の高いSDGsゴール ●企業概要 ●事業概要
Fujian Aonong Biological Technology Group Co., Ltd.(中国)、Gold&Green Foods Oy(フィンランド)、EliquoStulz GmbH(ドイツ)、Sunfed(ニュージーランド)、Pangang Group Xichang Steel and Vanadium Co., Ltd.(中国)
■「好気性水処理プロセス」の掲載例
●日本 ●中国(香港除く)●韓国 ●米国 ●欧州 ●香港・台湾・インド・シンガポール・カナダ・ニュージーランド
SDGsテック選定の過程で抽出した約1000件の主要技術クラスターを、17ゴールごとにバリューチェーンの各段階「技術開発」「部品の製造」「製品の製造」「物流」「サービス」「その他」に分類し、全て掲載。
国連が推進する「SDGs」。その目標を事業として捉えれば、極めて難易度が高く、世界中の企業が本気で取り組んで初めて達成できるかどうかというほどの難事業です。現在の延長にSDGsの達成は考えにくく、必要なのは、現状を大きく変えるイノベーションです。イノベーションに深く関わるのは技術ですが、これまで「SDGsの目標に貢献する技術は何か」という観点で語られることはあまりありませんでした。
そこで SDGsと技術の関係を調べたのが、本書です。世界中の技術知財を集め、SDGsの目標と相関分析をすることで、関連性の強い技術クラスターを見いだしています。そうして見つけた技術のうち、特に重要な技術を「SDGsテック」と呼んでいます。SDGsテックを選出する際、知財保有企業への投資額にも注目しています。投資が集まる企業には人材が集まり、技術開発が進み、イノベーションが起こる可能性が高くなります。目標達成には複数企業の協力が必要です。そこにはエコシステムが生まれ、新たなバリューチェーンが作られ、日本企業にも大きな影響を与えます。世界の投資が集まるSDGsテックは、企業戦略として注目すべき技術なのです。
持続可能な社会における、持続可能な事業をどう生み出すか。貴社の戦略策定に、ぜひ本書をお役立てください。
編集責任者松山貴之
日経BP
日経クロステック 編集委員
<経歴>システムエンジニアを経験して日経BP入社。『日経オープンシステム』『日経システム構築』などの専門誌にてIT技術の記者として活動。データベース技術、プログラミング、ストレージ技術、クラウドコンピューティングを中心に多数の記事を執筆する。その後、『日経SYSTEMS』にて編集長を務め、2014年以降は先端技術テーマの書籍を手掛けるほか、AI/IoT/SIビジネスをテーマにした調査リポートをプロデュースする。
【収録内容】
●第1章「世界の知財情報から導く『SDGsテック』」より「本書の背景と目的」「調査方法」の一部
●第2章「技術と未来」より「SDGsテックがつくり出す『Future of Sustainability/サステナビリティの未来』」の一部
●第3章「詳説SDGsテック」より「好気性水処理プロセス」
●第4章「知財保有企業と主要技術クラスター」より「国別のSDGsテック知財保有企業─日本、中国(香港除く)」、「ゴール1の主要技術クラスター」、「ゴール2の主要技術クラスター」の一部
●本レポートの全目次
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