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指紋認証システムを活用し、安全かつ迅速な電子決裁意を実現
 鳥取県庁では、電子決裁システム導入にあたって、富士通の指紋認証システムを採用。決裁の迅速化とともに、安全・確実な本人確認を実現した。その取り組みについて、総務部 行政経営推進課のお二人にお話を伺った。

  従来の業務プロセスを見直し、迅速な意思決定を目指す
中山 貴雄 氏
鳥取県 総務部
行政経営推進課 課長

中山 貴雄 氏
山本 清和 氏
鳥取県 総務部
行政経営推進課 主幹

山本 清和 氏
 鳥取県は、2003年から『鳥取県電子県庁構築実行計画』に取り組んでおり、業務の電子化を着実に推進してきた。電子申請や電子調達・電子入札などのシステムを構築し、県民に利便性を提供。また、庁内の旅費申請や休暇届などの事務処理をシステム化し、処理の迅速化、効率化を図っている。

 鳥取県 総務部 行政経営推進課は、県庁の業務改革とそれを支えるシステムを担当する部署である。そして、同課が2003年後半から取り組んできたのが電子決裁システムだ。

 鳥取県 総務部 行政経営推進課 課長 中山貴雄氏は、「決裁の際に、従来はハンコのスタンプラリー状態でした。知事まで行く場合、総意を得るために20個近いハンコが必要でした。電子決裁の導入にあたっては、まず業務プロセスを大胆に見直し、基本的には起案者から知事まで担当の課長と部長など3人の承認で通るようにしました」と言う。

 また、行政経営推進課 主幹 山本清和氏は、「紙では原本が1枚しかないので、ひとりずつ順番に承認していたのですが、電子化によって平行して閲覧・承認できるようになったのもスピードアップに貢献しています。今では、従来1〜2週間かかっていた承認作業が平均3日で行えるようになっています」と語る。

  電子決裁に指紋認証を付加し、
確実な本人特定を実現

 鳥取県庁のシステムが、通常の電子決裁と大きく異なる点は、決裁の実行に指紋認証を利用したことだ。鳥取県は、電子県庁を推進するうえで、セキュリティを常に意識してきた。そこで今回の電子決裁に関しても、確実な本人特定を行いたいと認証方式を検討してきた。

 本人確認を行う方式としては、ICカードと本人の身体的特徴を使ったバイオメトリクス認証の2つの方式が広く利用されている。鳥取県でも、この2つを比較。しかし、ICカードは借用や紛失の可能性があることなどから、電子決裁という本人特定が非常に重要な業務においてはバイオメトリクス認証が有効と判断し、採用が決定した。またカード発行などのメンテナンスコストが少ない点も評価された。

 さらに、そのバイオメトリクス認証のなかでも、指紋、静脈、虹彩などさまざまな方式がある。そのなかで今回鳥取県庁は指紋認証を選択したわけだが、その選択理由について中山氏は、「指紋認証がもっともコストパフォーマンスに優れていました。ただ、指紋データを取るということについて職員からの反応に不安があったので、あらかじめヒアリングをしました。指紋そのものではなく、特徴的なポイントだけをチェックするので、指紋データが再現できるわけではないことを説明したところ、それなら問題ないという反応でしたので導入を決めました」と語る。

  認証性能とコストパフォーマンス、導入の容易さから
富士通の「Secure Login Box」を採用
 指紋認証システムは、先行して開発を行っていた電子決裁システムに、モジュールとして追加する方法で導入することになった。2004年11月に鳥取県が公募を行い、12月に入札が行われ、富士通の「Secure Login Box」が採用された。そして、2005年1月には試行し、2月末から本稼働を開始するというきわめてスピーディーな導入が実現した。

 採用理由について中山氏は、「価格と機能が優れていました。また、電子決裁機能を提供するLotus Notesへの親和性が高かったことも理由です。先にNotesは開発を進めていたので、ほとんどその仕様にあわせてもらい、富士通は苦労されたと思います」と語る。

 今回のユーザーは、管理職を対象とした約800人。ユーザーが県内に散在しているため、5カ所の会場に近隣のユーザーを集めて、富士通が指紋登録作業を行った。指紋認証装置は、指紋登録時にUSBタイプのものをドライバーCDとともに渡し、各自がインストール作業を行った。山本氏は、「インストール作業がうまくいかない職員のサポートを含めて、富士通にやってもらったので、スムーズに導入ができました。トラブルもなく、登録は1週間くらいで完了しました」と語る。

 「Secure Login Box」内の認証データは、職員IDとひも付けされているので、人事異動があった場合も特にメンテナンスは必要ない。
 「Secure Login Box」の導入効果を中山氏は、「セキュリティ効果が高い上に、手軽で導入も容易でした。県の職員はITスキルもばらばらなんですが、そのような環境でもスムーズに導入・運用ができたのは評価しています」と語る。
ネットワークイメージ
  指紋認証の活用による一層のセキュリティ向上を目指す
 鳥取県庁では、現在管理職のみが電子決裁システムで利用している指紋認証を、電子決裁以外でのセキュリティ向上に活用できないか検討している。

 今後の運用について山本氏は、「ルールを作るだけではセキュリティ強度は保てません。いかに守らざるを得ないしくみにするかが大切です。そのためにはITをうまく活用する一方で、職員への教育や啓蒙が重要であると考えています」と語る。

 さらに、電子県庁について山本氏は、「今までシステム化を中心に行ってきたので、今後は県民サービスをより強化していきたいと考えています。既に電子申請などは始めていますが、内部業務がスピードアップすることによって、申請の結果などもより速く回答できるようになりました。こういった改革を継続的に行っていきたいと思っています」と語る。

 今回の指紋認証を活用した電子決裁システムで、また一段電子県庁化のステップを上った鳥取県。これからもITを活用して、県庁内の情報保護と県民へのサービス向上に邁進することだろう。
User's Profile 鳥取県庁
粟盛 典光 氏
 鳥取県は、中国地方の北東部に位置している。北は日本海に面し、鳥取砂丘をはじめとする白砂青松の海岸線が続き、南には中国地方の最高峰・大山をはじめ、中国山地の山々が連なるなど、豊かな自然に恵まれている。人口が61万人と47都道府県のなかで最少ながら、大胆な県政改革を掲げる片山善博知事のもと、近年その存在感を増している。「情報公開と説明責任」をキーワードに、前例主義を廃した知事のかけ声により、県庁の業務プロセス改革も実施された。電子県庁推進によるIT化の推進にともない、セキュリティ対策にも精力的に取り組んでいる。
ホームページ http://www.pref.tottori.jp/
製品紹介
「Secure Login Box(セキュアログインボックス)」
FMSE-C251
FMSE-C251
(2,500ユーザ対応)
FMSE-C201
FMSE-C201
(1,000ユーザ対応)

 使いやすさと高セキュリティを同時に実現したオールインワンパッケージのバイオメトリクス認証装置。クライアント用指紋認識装置「Fingsensor(フィンセンサー)」との連携により指紋認証を行う指紋認証アルゴリズムを内蔵し、本人受理率99.96%以上、他人受理率0.0002%以下という高精度の識別能力で、高度なセキュリティを実現する。システム構築が必要ないので、低コストでスピーディな導入が可能。

 認証方式には富士通独自の「特徴相関法」を用い、指紋画像データそのものを持たないため、このデータから指紋画像を再生することはできない。さらに、万一に備え、ハードディスクのデータを暗号化している。

→詳細・ご購入


「指紋センサー」
 USBやパラレルインターフェースに接続するクライアント用指紋センサー。自然に指を置く動作をデザインにフィードバックして生まれたシンプル・スムースデザインで、小型・軽量化を図りながら初めて使う人でも正確な読み取りが可能だ。

 ノートPC内蔵タイプ、USBインターフェース接続タイプ、デスクトップ用キーボード内蔵タイプの3種類があり、現在利用中のPCにも柔軟に接続が可能。
→詳細・ご購入
用途に応じたクライアント認証装置
 
 

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