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ユーザー事例 株式会社タムロン
顧客情報を強固に守り、企業の信頼性向上を実現 全社一斉に指紋認証システムを導入したタムロン
総合光学メーカーである株式会社タムロンは、PCリプレースを機に富士通の指紋認証システムを導入。飛躍的なセキュリティ強化に成功した。その情報漏えい対策の取り組みについて情報システム部のお二人に話を伺った。

  顧客との関係性を重視 セキュリティに高い関心
粟盛 典光 氏
株式会社タムロン
情報システム部システム課

粟盛 典光 氏
 株式会社タムロンは、レンズというデバイスのアプリケーション開発を行う総合光学メーカーだ。映像テクノロジーが急速な進化を遂げている現在、民生品から工業用に至るまで、同社のフィールドは拡大しつつある。タムロンはその歴史の中で、ISO取得や環境対応、情報システムのグローバル化にも早くから取り組み、国際水準の企業経営を目指してきた。その根底にあるのは「お客様最優先のサービス」という全社を貫く経営理念だ。

 タムロンは一眼レフ用レンズなどの分野で、自社ブランド製品だけでなく、大手メーカーとも協業し多くのOEM製品も手がけているが、OEMを受託することは、各メーカーの製品戦略に深く関わることはもちろん、製品の開発・製造過程においても、そのメーカーのパートナーとして製品の機密情報を取り扱うことになる。このような背景から、タムロンでは何よりも顧客情報のセキュリティに万全を期する企業文化があった。具体的には、それらは図面や部品のデータ、設計製造計画のようなドキュメント類である。これらの情報を厳密に管理し漏えいを防ぐことは、タムロンにとっての生命線と言ってもいい。同社では顧客情報保全のための最善のセキュリティ施策を常に模索し、情報システムのあるべき姿を追求している。社内LANの構築を検討し始めた1994年頃から、ITを活用したセキュリティにもいち早く取り組み始めた。

 「もちろん社内の技術情報や人事情報なども漏えいしては困りますが、何よりも顧客情報の漏えいによりお客様にご迷惑をかけてはならないという企業としての社会的責任が、ITによるセキュリティ強化の動機です」と情報システム部システム課 粟盛典光氏は語る。

  確実な本人特定が可能な指紋認証を全社に展開
田口 星樹 氏

株式会社タムロン
情報システム部システム課

田口 星樹 氏

 タムロンが課題にしていたのは社内におけるPC利用時のログオン方法だった。未だ多くの企業がそうであるように、当初はIDとパスワードによる認証が行われていた。しかしこの方法では「IDとパスワードを知る人=本人」であり、確実な本人特定はできない。同社では一台のPCを複数の社員が使うケースもあり、早急な対策が必要だった。そこで注目されたのが指紋認証である。タムロンでは情報漏えい事件が騒がれる以前の2000年から、営業が持ち歩くノートPCを中心に指紋認証システムの導入を始めている。

 指紋認証を選んだのは、いくつかのバイオメトリクス認証手法のなかで、当時実績があり、技術的にも安定していたからだ。導入の段階では各ベンダーの製品の比較を行ったが、中には解析すると指紋認証データが見えてしまったり、指紋認証装置内蔵タイプのPCがないなどという問題もあり、それらをクリアしていた富士通製を試験的に導入することに決定した。指紋認証装置内蔵のノートPCは営業部門を中心に4、50台が導入され、その認証精度の高さ、信頼性が確かめられた。

 そして2004年、指紋認証を全社展開する好機が訪れる。社内のPCのリプレースだ。タムロンでは、2004年5月から始まったリプレースにあわせ、全てのPCを富士通の指紋認証装置付きに順次刷新。同年9月末までに全社への導入を完了した。

 「指紋を取られることに抵抗があるという社員もいましたが、指紋そのものを採取するのではなく、指紋の特徴点のみをデータ化するので、そのデータから指紋が再現できるわけではないことを説明して理解していただきました」と情報システム部システム課 田口星樹氏は指紋データ登録時のエピソードを語る。

 現在同社で稼動している指紋認証対応PCは約650台。これらのPCを利用する社員約1,000人の指紋データを登録し、OSとネットワークのログオンを行っている。指紋データの認証は、社内ネットワークに追加された富士通のバイオ認証装置「Secure Login Box(セキュアログインボックス)」によって実行される。

タムロンに導入された指紋認証システム
バイオ認証装置「Secure Login Box(セキュアログインボックス)」を大宮本社ほか主要拠点に合計10台を導入。全社レベルでの運用を行っている。
指紋認証システム

  セキュリティ強化に加え企業の信頼性向上を実現
 指紋認証によって、タムロンの情報セキュリティは飛躍的に向上した。「確実に本人がアクセスしているという安心感は何物にも代え難い」と粟盛氏は語る。

 世界に製造拠点を持つタムロンでは、国内だけでなく海外への出張時に社員がPCを持参することも多い。こうしたシーンでも指紋認証が役立っている。具体的には、PCを外部に持ち出す場合、まず社内で指紋認証を行い、モバイル専用のモードに切り替えなければOSの起動すらできない。さらにその際に使用期限を設定、期限を過ぎると指紋認証そのものもできなくなるため、万が一出張中にPCを盗難されても被害を最小限にとどめることができる。セキュリティを強化したからノートPCは持ち出せないというのではビジネスにならない。タムロンの施策は、顧客へのサービスレベルを維持しながらセキュリティの強化に成功した好事例と言えるだろう。

 今、この指紋認証システムの導入は、タムロンの顧客企業に対しても、その関係性を維持していく上での重要なアピールポイントとなっている。

 「これからの時代、セキュリティレベルの向上はそのまま企業の信頼性の向上につながります。指紋認証システムの全社導入は、強固な情報漏えい対策であるだけでなく、タムロンという企業ブランドを高める要素の一つとも言えるでしょう」(粟盛氏)。

 タムロンでは現在、法務や総務、知的財産管理室などでセキュリティポリシーに基づいた社員の行動規範をまとめており、今後はそれを元にセキュリティ教育をより徹底していく。

セキュリティと業務効率の両方が向上
 指紋認証システム導入にあたっては、最初は指紋とパスワードのどちらでもログインできる運用にし、指紋認証の精度や運用上の問題がないことを十分に検証した後、パスワードが効かない指紋認証だけの高セキュリティモードに切り替えるという段階的な移行を行った。
 「今では指紋認証になってIDとパスワードの認証より簡単で楽になったと社員にも好評です」と田口氏が語るとおり、指紋認証はセキュリティを強化しつつ、むしろ使いやすくなったと社員からも評価されている。それは次のような点だ。

・指紋認証はスピーディで、素早く業務を開始できる
・パスワードを忘れることがなくなった
・モバイルモードによって、出張先でもPC利用ができる


 また、システムの運用に関しても、情報システム担当が次のようなパスワード管理業務から解放されるなど全社的な業務効率向上に役立っている。

・パスワードに関する問い合わせ対応の激減
・パスワードを書いたメモなど、情報漏えいの手がかりを根絶
・指紋データによって、すべてのログインを一元管理可能


 今後について粟盛氏は、「指紋認証を業務アプリケーションのログインにも拡大し、より便利にしながらセキュリティを強化していきたい」と語った。
User's Profile 株式会社タムロン
 「産業の眼を創造貢献する」をスローガンに、デジタルカメラ・ビデオカメラ・プロジェクター向けなどの幅広いレンズを開発・製造する総合光学メーカー。現在はデジタル一眼レフカメラを中心としたデジタル化への対応を強化している。また、セキュリティ関連需要の高まりの中、高画質タイプの監視カメラ用CCTVレンズなどでも評価が高い。国内は本社を含め営業所6拠点と工場3拠点、海外には5拠点を展開。社会に貢献する企業としてISO(ISO9001/14001)の取得や環境への取り組みも積極的に行い、情報システムのグローバル化にともなうセキュリティ強化にも注力している。

企業概要:
本社所在地 埼玉県さいたま市見沼区蓮沼1385番地
資本金 69億23百万円(2004年5月22日現在)
売上高 単独:51,958百万円 連結:54,837百万円(2003年度)
従業員数 単独:775名 連結:3,638名(2004年6月末)
ホームページ http://www.tamron.co.jp/

製品紹介
バイオ認証装置「Secure Login Box(セキュアログインボックス)」
FMSE-C251
FMSE-C251
(2,500ユーザ対応)
FMSE-C201
FMSE-C201
(1,000ユーザ対応)

 使いやすさと高セキュリティを同時に実現したオールインワンパッケージのバイオ認証装置。クライアント用指紋認識装置「Fingsensor」との連携により指紋認証を行う。本人受理率99.96%、他人受理率0.002%以下という高精度を誇る。最大2,500ユーザーを管理でき、ハードディスクの二重化が可能な大規模向けと、最大1,000ユーザーを管理できる小・中規模向けの2タイプを用意。各4台まで連携できるので、最大10,000ユーザーまでの管理が可能だ。いずれも既存システムへアドオンし、わずかな設定を行うだけで運用が開始でき、短期間・低コストで高信頼性のセキュリティシステムを構築できる。万が一の事態に備え、ハードディスク内でもデータの暗号化をしている。

 クライアントPC側の指紋認識装置にはキーボード内蔵タイプ、ノートPC内蔵タイプ、USB接続タイプの3種類を選択可能。USB接続型は、既存のPCに簡単に追加することができ、導入コストの面でも効果が大きい。

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