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(監修:危機管理対策アドバイザー 国崎 信江、 構成:ecomom編集部)

世界有数の治安のよさを誇る日本。しかし、その安全神話は大きく揺らいでいます。警察庁発表の資料によれば、平成17年に起きた犯罪件数(認知件数)は、226万9293件。平成14年まで、7年連続で過去最高を記録し続けていましたが、この3年間、多少、減少しています。検挙率は28.6%と横ばい傾向にあります。

このうち子ども(20歳未満)が被害者となった犯罪は、32万6042件で、全体の17.4%を占めます。

子どもが被害者となる割合が高い犯罪は、略取・誘拐(77.6%)、強制わいせつ(56.8%)、公然わいせつ(53.5%)、恐喝(45.4%)、強姦(42.1%)などが、主なところです。



警察庁が発表している「犯罪情勢」のデータを読み込んでいくと、子どもが被害に遭いやすい状況が浮かび上がってきます。

まだ小学校入学前の未就学の子どもが犯罪に遭いやすい場所は「共同住宅」「道路上及び一戸建て」が高く、小学生・中学生については「駐車場・駐輪場」と「路上」が高くなっているのです。

危機管理対策アドバイザーの国崎信江さんは、子どもに気をつけさせたい場所として「集合住宅」「エレベーター」「トイレ」「階段」をあげます。

近所づきあいが希薄な現代では、集合住宅は、不審な人物が歩いていても不審に思われないため、犯罪者が侵入しやすいという特徴があります。オートロックでも安心は禁物です。入居者の後について、するりと入ってしまえば、内部を自由に歩き回れます。

「知らない人には近づかない」ルールを徹底させるにこしたことはありません。また、エレベーター、トイレ、階段は、人の目が届きにくく、密室になりやすい場所です。

外のトイレには一人で行かない、エレベーターには一人で乗らない、階段で一人で遊ばないなどのルールを徹底しましょう。




千葉県警がまとめた資料によれば、犯罪に遭遇しやすい子どもの年齢は、小学生(88.1%)、時間帯別は、平日の14時から17時までの間に集中しています。学校が休みで家族と一緒にいる時間が多い土曜日、日曜日の被害は、平日に比べると少なくなっています。

被害時の人数は81.8%が一人。学校の行き帰り、一人になる時間がもっとも狙われやすい時間帯です。

凶悪事件は、子どもへの「声かけ」により被害者に近づくケースが大半を占め、手口も巧妙化しています。知らない人には絶対についていかない、車には乗らないことを親子でしっかりと確認しておきましょう。

犯罪の加害者が顔を隠すのは常套手段ですが、顔を隠しやすい天気(雨、雪)などの日には注意が必要です。ある犯罪者は「雨の日は子どもの声が聞こえにくく、証拠も流れる」と言っています。皆が家に閉じこもっているような天気には、子どもを一人で歩かせないよう、注意が必要です。第2回目は「狙われやすい子ども、狙いにくい子ども」をテーマにお届けします。


被害の多い場所ワースト5(平成17年)

■ 未就学児     ■ 小学生  
共同住宅 159件   駐車(輪)場 9321件
道路上 74件   道路上 5038件
一戸建て住宅 71件   共同住宅 2996件
都市公園 44件   一戸建て住宅 1788件
駐車(輪)場 28件   都市公園 1612件


子どもとチェック!こんな場所が危ない!
1. へいや生垣、茂みがある道・・・通りに人の目が届かない
2. 建物の間やかげ・・・物陰のある道は不意打ちの危険が
3. 駐車場・・・交通事故もさることながら、意外に人影がないもの
4. 道路にたくさん車がとめてあるところ・・・交通ルールが守られていない場所は、人心も荒れがち
5. 「落書き」が多いところ・・・小さな犯罪が大きな犯罪を誘発する
6. 「ごみ」や「こわれた自転車」がいくつも捨ててあるところ・・・ゴミには有害なものもあります
7. 人の使っていない建物・・・人気がないところは犯罪の温床に
8. 外から見えずらい公園・・・誰でも入れるだけに油断は禁物
9. 酔っ払いがたくさんいるところ・・・特に女の子には注意が必要です
10. 大きな建物のトイレや階段・・・ ショッピングセンターなどは誰でも入れます。
死角になっていることが多いもの。
11. エレベーターの中・・・知らない人とは乗らないことを徹底しましょう
12. 工事現場・・・死角も多く、思わぬ事故のもとに。


危機管理アドバイザー 国崎信江 プロフィール

ホームページ:http://www.kunizakinobue.com/

危機管理対策アドバイザー。横浜生まれ。91年外資系航空会社の機内通訳を経験した後結婚を機に退職。主婦となる。97年 阪神淡路大震災のような自然災害から小さな子どもを守るための研究を始める。 防犯では、自分の子どもと変わらない年齢の子どもが狙われる事件が相次いだのをきっかけに、身近な危険から子どもを守るために不審者対策にも研究の幅を広げ、広く「いのちをまもる」ための活動に取り組んでいる。