Flashと人物動画が融合した新しいネット動画の形 PIPという表現手法
リッチコンテンツのマーケティング活用において、新しい手法として注目されているのが、「PIP(Person In Presentation)」だ。PIPとは文字通り、プレゼンテーションの中に人がいるFlashコンテンツのこと。そこに登場する人は、テレビショッピングのように商品を説明したり、サービスを解説したりする。簡素だったHTMLベースの申し込み入力フォームをPIP化することで、人がユーザーに対し、入力の仕方を一つひとつ説明していくこともできる。Web上で人がプレゼンテーションをすることで、サイトを取っ付きやすく、分かりやすくできるので、誰でもストレスなくサイトを活用できる有効な表現手法として導入する企業も増えてきている。
PIP(Person In Presentation)は、Flashの機能と人物動画を組み合わせた表現力の高い手法だ。例えば商品説明の場合、テキストや画像で商品を見せつつ、人物動画が身振り手振りでポイントを押さえて説明する。消費者はカタログで商品写真を見るよりも、人が実際にその商品を使ってみせるテレビショッピングを見ているときのほうが、より購買意欲を持つ。これは、人がプレゼンテーションすることで、紙では伝わらない商品スペック以外の部分、たとえば商品がもたらす効果や提供するサービスなどを受け手が実感できるからだ。またさまざまな演出で、受け手に驚きや感動、楽しさを与え、商品への興味関心を高める事ができる。
PIPは、受け手の実感値をあげ興味関心を高める表現をWeb上でも実現する。文字や画像、図、グラフ、アニメーションといった視覚的な素材と生身の人間の語りかけがシームレスに融合したプレゼンテーションは、ディスプレイという限られたスペースを最大限に活用し、サイト訪問者を惹きつける。さらに、Flashのインタラクティブ性を活用し、入力に応じたガイダンスを行うなど、一方的な映像提供ではない表現も付け加わっている。ネットマーケティングにおけるさまざまなシーンでの活用が期待される。
演出や表現でさまざまな目的に活かせるPIP
企業の導入事例を見ていくとPIPの使い道は大きく4つに分けられる。
(1) ブランディング
(2) ナビゲーション
(3) プロモーション
(4) 商品説明
(1) ブランディング
ブランディングに使われる理由は、人物の登場やバーチャルな空間表現が、企業や商品のイメージ形成を促進する点で優位だからだ。人の出てこないテレビCMがほとんどないように、人によってもたらされるイメージは強力だ。また、空間表現はブランドの世界観をユーザーに体験してもらう上で重要だ。PIPは、この2つの要素をあわせ持つ。
具体例を紹介しよう。Vodafoneでは、自社の商品やサービス概要や利用シーンを説明した「The Vodafone Journey」というサイトを公開。PIP表現を使ったメインコンテンツでは、ブランドイメージの“赤”い服を着た女性ナビゲーターが、同社の戦略やサービス概念を語りかけるような口調で説明していく。
はじめから終わりまで、一貫したストーリーで流れる同コンテンツは、まるで女性社員に案内されているかのような雰囲気を覚えるはず。さらに、シーンの随所にはグループのコーポレートカラーの “赤”が登場し、同社のブランディングを高めるコンテンツに仕上がっている。
コンテンツでは、舞台を空港から雪山、公園、住宅といくつもの場所に移し、シーンに合わせて同社の戦略やサービス概念を伝えている。実際に見てもらえば分かるが、これを一本の実写映像として作るのは困難だ。Flash上で、さも実写映像のロケのように演出できてしまうのも、PIPのメリットの一つといっていいだろう。



