CGMの新しい顔「動画投稿サイト」 マーケティング活用への模索
動画投稿サイトといえば、2005年2月に始まった「YouTube」をイメージする人が多いはず。日本では2006年の年初ころから話題になり、10月のGoogleによる買収によって注目度は一気に高まった。
YouTubeの人気を受けて、2006年中頃には日本でもアスクドットジェーピーが「Askビデオ」、フジテレビが「ワッチミー!TV」、NTTが「ClipLife」(クリップライフ)といった動画投稿サイトを立ち上げた。2006年10月には大手ポータルのエキサイトが「エキサイトドガログ」をオープンし、国内最大級のSNSサイトmixiも2007年に動画投稿機能を搭載することを発表。こうして動画投稿サイトが拡大しつつある中、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)と同じように動画投稿サイトをマーケティングに利用する動きも出ている。
ブログやSNSに次いで
新しいマーケティングツールに
動画投稿サイトは、CGM(Consumer Generated Media)の一種だ。CGMとはインターネットなどで消費者(ユーザー)が内容を生成していくメディアのことで、ブログ、mixiなどのSNS、クチコミサイト、Q&Aコミュニティなどを指す。欧米ではUGC(User Generated Content)、韓国ではUCC(User Created Content)とも呼ばれている。
CGMの中でも新しい動画投稿サイトは、静止画や文字中心のブログやSNSに飽き足らない人が一斉に飛びつき、2006年のネットトレンドの一つとなった。
CGMでは一般ユーザーが投稿によって直接情報を発信する。消費者の立場による自由な意見、感想が情報として流れるため、ユーザーにとって重要な情報源となる。一方、メーカーにとってはCGMでの評価が売れ行きを左右する可能性があるだけに、怖い存在でもある。多くのユーザーに「この商品(サービス)は悪い」とジャッジされてしまうと、その影響は大きい。だが、一方で、企業がブログやSNSをプロモーションに使い始めているのも事実だ。そして動画投稿も企業がプロモーションの場として利用を始めている。
その代表例が、ナイキジャパンの「NIKE iD」PRチームが配信した「NikeCosplay」と、任天堂「wii」の動画広告だ。両者ともYouTubeに投稿された。いずれも、動画投稿サイトが持つクチコミの影響力を考えて、ユーザーが面白がったり、興味を持ったりするような映像の作りにしている。動画投稿の利用アプローチとしてはオーソドックスなケースといえる。
一方、MSNジャパンとナイキジャパンによる「キメワザ・バトル」は、自らが動画を投稿するのではなく、個人から動画を募集するという手法をとった。このサイトではナイキジャパンのWeb CM用の材料としてテーマを決め、ユーザーに動画投稿を募った。この結果、テーマがユーザーに受けて大盛況。多くの動画投稿が集まり、目的であったWeb CMも見ごたえのある作品に仕上がった。
ナイキジャパンや任天堂のように、企業が動画を制作して投稿する場合、コンテンツ制作のさじ加減が必要だ。マーケティングメッセージを内包しつつ、ユーザーの反感を買わない内容にすることがポイントだ。一方、キメワザ・バトルのような方法は、ユーザーをうまく巻き込むことができれば大成功となりやすい。企画しだい、という面は否めないが、今後の動画投稿はこうした消費者誘導型の手法を応用した場にシフトしていく可能性もある。

