ハイビジョン化の波はネットの世界にもすでに始まっているHD動画配信
2011年、地上波がアナログ放送からデジタル放送へ完全移行する。2006年12月には全国の主要都市で地上デジタル放送が受信できるようになることから、各家電メーカーはハイビジョン関連の商品ラインアップを充実。家電量販店では特設コーナーを作って販売に力を入れ、雑誌でも多くの特集が見られるようになった。実際の売り上げも好調とのことで、いまやハイビジョン商品はメジャーになりつつある。
家電業界に押し寄せているハイビジョン化の波は、ネット動画の世界にも進出している。2005年に愛知県で開催された「愛・地球博」では、NTT西日本が自社サービスの「フレッツ・スクウェア」にて、6Mbps(1秒間に6Mビットのデータを処理、もしくは送受信する意味)のHD品質動画をライブストリーミングで配信。また、アメリカのアップル社は「H.264コーデック(動画を圧縮する1つの方式で、Blu-ray Discやワンセグ放送、iPod 、などに採用)」をQuickTime 7 Playerに搭載し、自社サイトで映画のトレーラー版をHD配信している。ネットによるHD動画のライブ配信は、送り手と受け手の環境さえ整っていれば、現時点でもじゅうぶん行える状態にある。
ネット動画のイメージを覆す
シャープで鮮明な動画
HDとは「High Definition」の略称で、「高精細度」という意味。最近話題となっているハイビジョンテレビの映像を見れば、HD品質の映像がどれほど精細で高画質なのかわかるはずだ。ネット動画というと、画像が荒くて見づらいという印象が強いが、これは受け手の環境を考えて画質を大きく落としているため。インターネットやブロードバンドが国内に普及し始めてずいぶん経つが、それでもすべての一般家庭が高速ブロードバンド環境にあるわけではない。企業が動画を配信する場合、多くの人たちに見てもらいたい。ダイヤルアップやISDNなどのナローバンド環境のユーザー、ADSLといったブロードバンドでも通信速度の遅いユーザーに対応させるため、従来の500kbps、1Mbps程度のビットレートで配信せざるを得ない。だが、そういった諸問題を抜きにして、HD品質で配信すれば、ネット動画といえども驚くほどの美しい画質で動画を提供することができるのだ。
画質の違いは実際の画像を見てもらえばわかる。従来のSD(Standard Definition)品質では、オブジェクトがぼやけてみえるが、HD品質ではオブジェクトの輪郭がよりシャープに明るく表示され、画面に見られるモアレの加減も抑えられている。物の質感がわかるほど、繊細な表現が画面上で実感でき、動きの速さによるブレが少ないのも大きな特徴だ。細やかで美しく、従来よりも大きなサイズで鑑賞できるHD品質の映像は、全体的にクリアな印象を持ち、見ている人に臨場感を与えてくれる。
HD映像(左)と従来からのSD映像(右)の違い (画像クリックで拡大)
※HD映像は、SD映像との比較用に縮小しています
NTT西日本 フレッツ・スクウェアで配信中のHDコンテンツ (画像クリックで拡大)
(提供:NTT西日本 名古屋支店)



