このページの本文へ

子どもと自然を考える 第2回 子どもは自然

*

養老孟司

東京大学名誉教授。
06 年1月「超バカの壁」を上梓、早くもベストセラーとなる。また、独自の環境論や無類の昆虫収集家としても有名。最近寸暇を惜しんで取り組むのが「デジタル昆虫図鑑」。どこにでもいるムシから、すでに絶滅したとされるムシまで様々だ。「一芸は百芸に通じる。それが人生のどこかで必ず役に立ち、独自の人生を築き上げる礎となる。だからこそ、子どもたちには様々なきっかけを与えたい。」緑豊かな初夏の箱根、子どもたちとの昆虫採集を通じて、子どもと自然、教育を考える。

*

*

子どもは緑と同じ自然である。こういう定義は私が勝手にしたもので、だれか偉い人がそういったわけではない。

どうして自然なのか。人間が意識で設計したものではないからである。車とか、建物とか、学問とか、そういうものは、人間が「考えて作った」のだから、自然ではない。まさに人工である。ところが子どもには設計図がない。それなら自然というしかない。

その自然をだんだんに人工の世の中に慣らしていく。それが子育てである。その原則は手入れだと書いた覚えがある。手入れというのは稲を育てることと同じである。米をたくさん収穫しようと思って、やたらに肥料を入れたら、稲が枯れる。子どもも同じである。まさに塩梅を見ながら、毎日根気よく続けていくしかない。いまの人がそういう作業を苦手とするのは、よくわかっている。ほとんどの人はもはや稲を育てないからである。つまり自然物を直接相手にすることがまずない。それなら自然の取り扱いが下手になって当然である。

そういう理屈をいわなくても、歳をとると子どもの相手が楽しい。あまりマジメに相手をすると、親に叱られる。だから適当に面倒をみる。孫を相手にするのと同じである。年寄りが盆栽をいじったり、庭の手入れをするのも、根本は同じであろう。歳をとると、自然の相手をするしかない。人間相手は疲れる。世間の常識が、自分の常識とは、ずれてくる。怒ったところで、無益である。無視されて終わり。それなら自然を相手にするしかない。

自然の相手をすることが、苦痛だと感じるのが現代人である。でも素直に考えたら、若いうちならともかく、刺激の多い都市生活のほうが苦痛だと思うはずである。だから過疎地は年寄りばかりという現象が起こる。やむを得ず過疎地に住んでいるというより、好んで住んでいるというしかないことが多い。

それでも都会の人は医療が問題だという。過疎地では十分な手当てが受けられない。そう考える。そうかもしれないが、はじめから病気を中心にして生活を考えるのも、どうかと私は思う。ヘリコプターのような道具を用意せよ。公共にそういう要求をする可能性もある。その意味で自分から社会を変えていくことが、日本の人は苦手ではないかと感じる。自然のなかで暮らすことに、そこまで思い入れがないのであろう。でもそろそろそこまで思ってもいいのではないか。私はそう思う。

私が子どもに自分で教えられるのは、虫取りだけである。こういうものは、教える必要すらない。機会を与えるだけでいい。あとは子どもが勝手に動く。教師なら、そういうことはできない。だって給料をもらっているのだから、子どもが勝手に動いたのでは、仕事をしたことにならない。それでは給料がもらえない。だから教育は子どもの嫌いなことをさせるのである。子どもの相手をしていると、先生でなくてよかった、としみじみ思う。無責任だが、たかが虫取り、もともと軽いことだから、無責任でいいのである。

*
和名 ツシマカブリモドキ
科目 オサムシ科
学名 Damaster fruhstorferi
体長 45mm
分布 対馬

ツシマカブリモドキ対馬だけに棲むオサムシの仲間。カタツムリを食べることで知られるマイマイカブリの近縁種。春、越冬した成虫は8mmほどの巨大な卵を数十個土中に産卵。孵化した幼虫はカタツムリやミミズなどを食し、1回脱皮した後、蛹になり、成虫となる。孵化から成虫になるまでわずか40日ほどしかかからないことが飼育観察などで確かめられている。新成虫は夏、盛んにカタツムリなどを食べて活動し、冬は土中に潜って冬眠する。

*

美しい映像とともに感動までも映し出す。ホームプロジェクター ドリーミオ「EMP-TW600」

映画館の迫力とは何か。スクリーンの世界に引き込まれる美しい映像、手を伸ばせばそこに触れられるかのようなリアルな色合い。
感動を生む圧倒的な迫力ある映像とは、画面の大きさだけで得られるというものではない。
エプソンのホームプロジェクター ドリーミオ「EMP-TW600」は、ハイビジョンにも対応した
エプソン独自の光学エンジン“OptiFocus”を搭載し、映像が持つ“本当の色”を徹底的に追求。
色再現性の飛躍的な向上と高いコントラスト比を実現した先進技術により、自然な色合いと奥行き感のある大画面映像を可能にした。
明るく目に優しい3LCDプロジェクター方式からの映像は、長時間の映画鑑賞をリビングで楽しむのに最適だ。

お問い合わせ
液晶プロジェクターインフォメーションセンター
0570ー00ー4110(全国ナビダイヤル)
http://dreamio.jp

記事検索 オプション

SPECIAL

TREND INFORMATION

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る