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プレゼン&プロジェクター 最新活用読本
実践に学ぶプレゼンの技 ?ビジネスに浸透するプレゼンとプロジェクター活用?
  • 第1回 ランドーアソシエイツ 牧野兼三氏
  • 第2回 ニューズ・ツー・ユー 神原弥奈子氏
  • 第3回 尚美学園大学 小泉力一氏
  • 第4回 建築家 光井純氏
  • 第5回 ペリエ 和田裕美氏
第3回:尚美学園大学 芸術情報学部 教授 小泉力一氏 「この先の学校教育を考える〜ICT活用教育に欠かせないプロジェクター〜」

優れたプレゼンテーションを実践するビジネスパーソンを訪ねて、話を伺ってきた本連載だが、今回は、学校教育にスポットを当てる。文部科学省が推進するICT(情報コミュニケーション技術)教育は、現場にどこまで浸透し、具体的にどのような効果を発揮しているのか。また、プロジェクターはどのように利用されているのだろう。ICT活用教育の実情に詳しい尚美学園大学 芸術情報学部 教授、小泉力一氏に聞いた。

ICT活用教育とともに歩む

尚美学園大学 芸術情報学部 教授の小泉力一氏は、2003年度から高校で必修が義務づけられた新教科「情報」の現職教員免許認定講習会の講義を担当した。「2年半前までは、私自身も都立高校の教員として、数学と情報を教えていました。当時から、『情報』の教員免許取得向け講座の講師などを担当していました」(小泉氏)。さらに、独立行政法人メディア教育開発センター客員教授として、e-ラーニングシステムの研究開発にも取り組んでおり、その傍ら、文部科学省が管轄する各種審議会やWGの委員を務めるという多忙な日々を送っている。

自ら教員としての経験を持ち、教員養成に携わり、教育行政の在り方にも積極的に関わってきた小泉氏は今、教育の情報化の現状に危機感を持っている。日本は、学校の設備だけを見ても、海外の国々と比べて大きく遅れをとっているというのだ。「英国では公立学校の全教室にプロジェクターと、インタラクティブ・ホワイドボード(電子黒板の一種)が導入され、授業に活用されていますが、東京の公立学校では、学校全体でプロジェクターが数台しかない、という話も珍しくないのです」(小泉氏)。

インタラクティブ・ホワイトボードとは、プロジェクターのスクリーンとしてPC画面を投写したり、タブレットのように、そこに書いた文字をコンピュータにデータとして取り込んだりできる機能を備えた電子黒板を指す。海外では、すでに多くの国で学校用の設備として導入が始まっており、インタラクティブ・ホワイトボードを利用する教材の開発なども盛んに行われているという。

小泉氏提供の資料より。PCに続き、プロジェクターの活用が小学校を中心に進みつつある。ICT活用教育には、プロジェクターをはじめ「大きく映して見せる」ための機器が欠かせない。
※画像をクリックすると拡大表示されます。

もっとも、日本政府が教育の情報化にまったく無頓着であったわけではない。政府のe-Japan構想に基づき「2005年度までに、すべての教室にコンピュータを整備し、インターネットにアクセスできる環境を実現する」ことを目標に掲げた「ミレニアム・プロジェクト『教育の情報化』」が、2000年から2005年にかけて実施され、文部科学省の指導の下、PCをはじめとするハードウェアの導入、校内LANやインターネット接続などのインフラ整備、教員のICT活用スキルの向上などの施策が進められてきた。

しかし、その成果は十分ではないというのが小泉氏の評価だ。「都道府県によって、学校のICT環境整備に予算を振り向けたところと、そうしなかったところがありました。その結果、大きな格差が生まれています。たとえば、普通教室のLAN整備率は、岐阜県88.6%に対して、東京都は12.5%。近い将来『自分はどうして遅れた地域で育ったのだろう』と嘆く子供たちが出てくるかもしれません」(小泉氏)。

ICT活用教育は「大きく映して見せる」ことから始まる

ICT活用教育とは、PCやアプリケーションソフトの利用に終始する授業のことではない。教科に関わらず、5~10分といったわずかな時間でも、授業そのもののやり方にICT機器を効果的に利用していくことを指す。

「極論すれば、ICT活用教育とは、プロジェクターを利用して、教科書などを『大きく映すこと』だけでも成立します。書画カメラなど、実物を大きく投写できる装置も先生方に支持されています。大きく拡大して見せることは、『見やすい』『リアリティがある』『子供の視線が集中する』という、ICT活用の基本にあたります。ICTのもう一つの活用法が、コラボレーションです。子供たちが共同作業として、何かを調べて発表するときに、デジカメやプレゼンテーションソフト等を使うのです。発表の際には、やはりプロジェクターを使うと子供たちにも適度な刺激が与えられます」(小泉氏)。

つまり、デジタル情報を共有することこそがICTであり、そのために有効なツールが、プロジェクターやインタラクティブ・ホワイトボードなのだ、と小泉氏は言う。しかし、実際の普及率は低く、公立学校1校あたりのインタラクティブ・ホワイトボードを含む電子黒板の平均設置台数に至っては1台にも満たない。

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