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プレゼン&プロジェクター 最新活用読本
実践に学ぶプレゼンの技 ?ビジネスに浸透するプレゼンとプロジェクター活用?
  • 第1回 ランドーアソシエイツ 牧野兼三氏
  • 第2回 ニューズ・ツー・ユー 神原弥奈子氏
  • 第3回 尚美学園大学 小泉力一氏
  • 第4回 建築家 光井純氏
  • 第5回 ペリエ 和田裕美氏
第1回:ブランディング/デザインコンサルティング会社 ランドー アソシエイツ インターナショナル リミテッド マーケティングディレクター 牧野 兼三氏 「クライアントの心に響くプレゼンテーション」

戦略的ビジネスツールとしてのブランディングとデザインを手がけるコンサルティング会社として、全世界にクライアントを持つランドーアソシエイツ。同社の業務にとって、プレゼンテーションは、欠くことのできない重要な要素である。同社のプレゼンテーションの基本にある考え方とそのテクニックについて、マーケティングディレクター牧野兼三氏に聞いた。

世界をリードする「ブランディング」のパイオニア

ブランディングとデザインのコンサルティング会社ランドーアソシエイツは、1941年に、ウォルター・ランドーによってサンフランシスコで設立されて以来、常に世界のブランディング業界をリードし続けてきた。現在、世界各地に26のオフィスを構え、グローバルにビジネスを展開している。

同社の事業領域は、企業及びグループブランドを中心とするコーポレートブランディング、商品及びサービスブランドを中心とするコンシューマーブランディング、店舗を中心とするエンバイロメンタルブランディング、ウェブブランドを中心とするデジタルブランディング、社名や商品名、サービス名などのネーミング、新しいプロダクツのマーケティングからコンセプト作りまでと多岐にわたり、対象とする業種を選ばない。

ランドーアソシエイツが作成した自社紹介用プレゼン資料から。同社では、多岐にわたる業界のトップ企業のブランディングを数多く担当している。

日本オフィスの開設は1972年。以来、200社以上の企業との取引実績を持つ。ランドーアソシエイツという名前に馴染みのない人でも、JALや日本郵政公社のロゴデザイン、長野オリンピックのエンブレムとマスコットは目にしたことがあるだろう。「サッポロビールが最初に出した缶ビールのブランディングは、ウォルター・ランドー自身が手がけたものなんですよ」と語るのは、ランドーアソシエイツ東京オフィスで同社の主要なビジネスを担う、マーケティングディレクターの牧野兼三氏である。「私自身、企画書も書きますし、プロジェクトが始まれば、プロジェクトマネージャーも務めます。コンサルタントとしての役割も果たす。何でもやるのがディレクターです」(牧野氏)。

目的の異なる3度のプレゼンテーションを実施

そんな牧野氏によれば、同社がクライアントに対してプレゼンする機会は3度あると言う。「最初のプレゼンのテーマは、ランドーアソシエイツとはいったい何者なのか、どんな価値を提供する会社なのか、どんな実績があるのか、他社とは何が違うのかを説明することです」と、牧野氏。同社では、この「自社を紹介する」という目的のために、専用のプレゼンテーション資料を用意している。会社のロゴ、船のマークの由来、会社概要と実績、コンサルティングサービスの内容、各サービスの実績、制作物の実例、グローバルネットワークの説明など、全部で15ページ程度にまとめたものだ。

2度目のプレゼンは、クライアントへの企画提案である。「多くの場合は競合他社とのコンペになります。ランドーアソシエイツがそのプロジェクトに対し、どのように取り組みたいと考えているか、お客様がそれによってどんなメリットを得るのかを説明するためのプレゼンテーションです」。

だが、企画のすべてをプレゼン資料に盛り込むことはしない、と牧野氏は言う。「詳しい内容は、別途ドキュメントを作ってお客様に提出しているからです。それよりも、お客様の印象に残るイメージを大切に、ランドーアソシエイツと一緒に仕事をすることに対して期待ができるような、見る人の感情に訴えかける情緒的なものを作ることを心がけています。プレゼン資料というより、一つの『作品』と言った方がいいかもしれません」。

このプレゼン資料制作の際には、ディレクターの牧野氏以外に、クリエイティブのスタッフが加わってチームを組む。提案書を書き上げる傍らで、自分たちの描くイメージを時には動画を織り交ぜたビジュアルと音楽を駆使して一つの作品にまとめ上げるのだという。

手がけた企業やブランドが今後どのような方向性を目指すのか、そのイメージを描いていく。

3度目のプレゼンは、最終的な制作物の納品の際に行う。同社のコンサルティングは、グラフィックデザインを中心としたデザインが成果物となるケースが多い。「これが出来ました、と渡して終わりにするのではなく、それによって企業や製品に新たな価値が生み出されるのだということを示すのが、この最終プレゼンの役割です」。

同社では、質の高いクリエイティブを実現するため、日本国内の案件に海外オフィスのスタッフが参加することも多い。そこで最終プレゼン用資料では、プロジェクトに参加した世界各地のスタッフが、それぞれどんな役割を果たしたのかを紹介し、その企業やブランドが今後どのような方向性を目指すのか、そのイメージを描いていく。このプレゼン資料の制作だけでも3~4日をかけると言う。

「最終的な納品物の仕上げと同時にプレゼン資料を作成するわけですから、忙しいのは間違いありません。最後に徹夜になることもあります。でも、このプレゼンテーションで、お客様自身に新たなブランドの認識と企業ロゴや製品パッケージを作って良かった、という思いを持っていただくことが大切だと我々は考えています。そして、お客様が満足した顔を見ることによって、それに関わったランドーアソシエイツのスタッフのモチベーションも上がるのです」(牧野氏)。

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