知っていれば怖くない! 働きざかりの高脂血症と高血圧症「今からでも遅くない! 冬太りが改善しないあなたに」

第6回 高コレステロール血症、高血圧治療で減らせる脳卒中と心筋梗塞のリスク

脳卒中予防策として重要視されるようになった
高コレステロール血症の治療

従来、我が国では、脳卒中の発症に関与する要因として高血圧が主要な位置を占めていました。(第2回参照)しかし、高齢化や食事の欧米化に伴って、脳卒中も脳梗塞の割合が高い欧米型になり、予防策として高コレステロール血症の治療が重要視されるようになりました。
 血液検査の総コレステロール値と脳梗塞の発症リスクの関係を調べた研究結果をみると、総コレステロール値が200mg/dLを超えると脳梗塞のリスクは高くなっています(図5)。こうした研究結果から、高コレステロール血症の治療は脳梗塞の予防に有用であると考えられます。

図5 総コレステロール値と脳梗塞の発症リスクの関係

高コレステロール血症の代表的な治療薬はスタチンと呼ばれる薬剤ですが、スタチンの効果を多数の患者さんで調べた欧米の26の試験研究をまとめた結果では、LDLコレステロール値が低下するほど脳卒中の発症のリスクは低くなっています(図6)。この研究結果も、高コレステロール血症の治療が、脳梗塞を主体とする脳卒中の予防に有効なことを裏付けています。最近、欧米で行われたASCOT-LLAという約1万人の高血圧患者を対象にした臨床試験でも、降圧療法に加えてスタチンによるコレステロール低下療法を行うことによって、脳卒中、心筋梗塞の発症低下がみられています。

これらの研究結果は、脳卒中を予防するうえで、高血圧や糖尿病の治療と並んで高コレステロール血症の治療が重要であることを示しています。

図6 コレステロール低下率と脳卒中のリスクの関係


自覚症状がなくても、血管の中で徐々に進行している
脳卒中や心筋梗塞の前段階

高血圧と高コレステロール血症は、脳卒中や心筋梗塞といった恐ろしい病気に結びつくのに、自覚症状がないために軽視されがちです。元気だから医者にかかる必要などないと思ってしまいがちですが、血管の中で脳卒中や心筋梗塞の前段階が徐々に進行しているのです。検診で高血圧、高コレステロール血症が指摘されたら、すぐに医師に相談することが大切です。

降圧薬と同じように、高コレステロール血症の治療薬も服薬を継続することが大事です。数値が改善されたからといって薬を飲むのを中止すると、コレステロール値は元のレベルに戻ってしまいます(図7)。その点が、長期の治療が必要ないわゆる生活習慣病と一時的な対策で済む風邪などとの大きく異なる点です。薬の服用を忘れないで継続するためには、医師や薬剤師と相談してポイントを心得ておくことも大事です(表2)

図7 コレステロール値の変動


表2 降圧薬・高脂血症治療薬の服薬を続けていくためのポイント

1日1回服用の薬が多いため、朝食後、就寝前など忘れないように飲める時間を
薬剤師や医師と相談して決める。
決まった時間に飲み忘れたとき、どうすればよいかを薬剤師や医師によく聞いておく。
服薬のとき注意すべき点は薬剤師や医師によく聞いてメモしておく。
薬を飲んでいて気になることがあったときは、自分で判断しないで
薬剤師や医師に連絡をとって聞く。


協力:ファイザー
関連リンク:生活習慣病オンライン / 高脂血症オンライン