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「高血圧といろいろな病気の関係」 |
高血圧が原因になって起こる病気として重大なものに脳卒中があります(図1)。脳卒中には、脳の血管が破裂して起こる脳出血と、脳の血管の中で血液が固まり、血管がつまって起こる脳梗塞があります。従来、日本人では脳出血が圧倒的に多かったのですが、最近では脳梗塞が増えています。動物性脂肪の摂取量などが多くなり、高血圧と高脂血症の両方にかかっている人が増えているからです。
脳卒中は、救急治療によって生命はとりとめても、マヒなどが残ったり寝たきりになったりすることが多く、非常に怖い病気です。脳卒中を予防するためには、ストレスを少なくし、過剰な塩分摂取を減らし、禁煙、適度の運動などをして生活習慣を改善することと高血圧の治療が大変重要です。
脳卒中のうち脳梗塞は、一般に、脳の太い血管に血液のかたまりがつまって、急にマヒなどの症状が現れる場合をいうのですが、それ以外に、じわじわと進行するものもあります。また、一時的に血液のかたまりが血管につまってマヒなどの症状が現れても、程度が軽いためにすぐに血管が開通して直ってしまう病気もあります。これは一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれていますが、TIAはいつ本格的な脳梗塞が起こってもおかしくない非常に危険な状態です。この他、無症候性脳梗塞と言われる病態は、症状が現れないために気づかれないのですが、実は脳に微小な梗塞が多数できている状態です。脳の画像診断技術が発達し、こうした症状が現れないまま進行している脳梗塞が少なくないこともわかってきました。また、老年になって起こる痴呆症としてはアルツハイマー病がよく知られていますが、最近になって脳梗塞の後遺症や小さな血管の脳梗塞が蓄積することによって起こる血管性痴呆も少なくないことがわかってきました。
こうしたじわじわと進行している脳卒中を予防するうえでも血圧の治療は重要です。また、高脂血症や糖尿病、肥満などがあれば、それらも同時に治療しなければなりません。
脳卒中のほか、高血圧が原因となって起こる病気、あるいは高血圧と強い関係のある病気として、心筋梗塞、心臓の肥大化(左室肥大)、心不全、腎臓疾患、脂質代謝異常、糖尿病があります(表1、2)。心筋梗塞は、脳梗塞と同じように血液のかたまりが血管をふさいで起こる病気です。高脂血症と強くかかわっていることがわかっていますが、高血圧とも強いかかわりがあります。
高血圧によって心臓に負担がかかる状態が長年にわたって続くと、心臓の肥大がおこります。さらに心臓に負担がかかる状態が続くと、心臓の収縮機能が低下し心不全になります。
高血圧があると腎臓にも障害が起こり、逆に腎臓の病気によって高血圧が起こる場合もあります。また、糖尿病があると高血圧が起こりやすく、脳卒中や心筋梗塞に結びつきやすくなります。
このように、高血圧は多くの重大な病気にむすびついており、予防や治療にしっかりと取り組むことがとても大切です。